「いわき21世紀の森グリーンフィールドの常磐エリアが有力」JR湯本駅が最短

民間型に「税金投入はあり得ない」いわき市

 福島県いわき市の清水敏男・市長は、4日「いわき市スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査報告書」を関係者などに公表した。関係者によると、いわき21世紀の森にある「いわきグリーンフィールド」用地が有力、新たな観戦スタイルとして集客がある。温泉やスパリゾートハワイアンズなどの施設と連携でき、相乗効果に期待できるという。

 新スタジアム整備の地域への経済波及効果は①スタジアム整備に206億円②維持管理・運営に3億4000万円③利用者の支出(市内交通費、観戦料、観光支出)に約49億円と試算、約2356人の雇用創出があるという。抽出エリアの年間収益改善は5000万円から7600万円(内郷エリアはマイナス3000万円)と試算している。しかし、管理運営のコスト、や建設費などを取り戻すのには長期間の市民の労力を必要とし、収益性を高めるのは不可能に近い。関係者によると、同市は約12万世帯あり、年間の維持管理費などに、1世帯当たり4000円から5000円がかかる。ざっと年間4億8000万円から6億円の税金が永久的に支出される。
 
 この報告書によると、スタジアムの候補地は、JR常磐線湯本駅周辺の常磐エリア、いわき駅周辺の平、内郷駅周辺の内郷、小名浜港後背地にある小名浜支所周辺の小名浜エリアの4カ所を上げている。
同市が、PwCアドバイザリー合同会社にスタジアムの事業可能性調査を依頼していたが、その調査結果の報告書を移し替え精査、まとめたものだ。PwCの報告書(原本)は公表されていない。報告書によると、各エリアとも初期投資が1万5000人規模で110億円から120億円(ドーム型は130億円から190億円)かかる。稼働日数は40日から80日を見込む。スタジアムの用地は少なくとも面積3万5000平方㍍を必要とする。

 スタジアムの建設方式は関係者に公開した報告書には精査されておらず、PwCが調査しなかったとすれば、中途半端な調査といえる。同市が全面的に税金を投入すれば問題外となるが、常識的だと建設方式は、SPC形態および運営権設定の範囲やPFI方式(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)事業の導入を提案する。それでもPFI法第16条に定められ、選定事業者に運営権が設定されたとしても同市は投資額に見合った莫大な資金の負担を余儀なくされる。
SPC事業を受けた事業者は安定的な運営を求められるが、赤字経営となった場合は公共施設の運営事業を継続できなくなるのを回避する必要に迫られる。致命的なのは事業破たんを招いた場合は倒産となる。
スタジアム建設に全面的に税金を投入する場合も、いずれの運営方法も最終的に行政がタッチすることになり、市民の負担が余儀なくされる。

 いわきFCのスタジアムとして期待しているようだが、同市によると「税金を投入してまで直営のスタジアムを建設しない。事業の可能性調査をしただけだ」と言い切っており、あくまでも民間型(ドーム・安田秀一社長)によるスタジアム建設だと指摘している。

 「スタジアム運営」で税金垂れ流し=いわき経済報3月1日付臨時号・ネット電子版PDFも=詳細に既報。
同市の清水敏男・市長も、政府(内閣府)から災害復興補助金の補助を受けられるよう動き出している。同市の行政サイドと清水市長の方針がちぐはぐである。
サッカーを研究している同市内に住むSさん(39)は「サッカーに対する市民の盛り上がりに熱はなく、サポーターも1000人が限界だ」と指摘している。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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