唯一人事権の水道事業管理者に木村清氏起用を決断。早くも上程前に市議たちから人事の私物化と騒がれる

 福島県いわき市の清水敏男市長は、2日から始まった11月16日のいわき市議会最終日本会議に人事案を追加提案、代表監査委員起用のため上程する。代表監査委員には、保健福祉部長の小野益生氏(58)を起用する。関係者が8日までに明らかにした。
 一方、清水市長は、唯一の人事特権となる同市水道事業管理者に、代表監査委員の木村清氏(65)を起用する。代表監査委員の木村氏と水道事業管理者の仲野治郎氏(67)は11日に任期切れとなるが、特別職起用までの8日間は、木村氏が監査委員の中から地方自治法に基づき職務代理者を臨時的に決め、水道事業管理者は、水道局の上遠野裕美局長(59)を地方公営企業法によって職務代理者として職務を行う。
 代表監査委員になる小野氏は、上遠野副市長の後輩で、2015年に生活環境部長、16年に保健福祉部長、現役となっているが、財政部の経験は浅く09年から10年に税務課長、上遠野副市長就任からとんとん拍子に昇格した。

 代表監査委員に抜擢したことは、上遠野副市長の人事私物化と言われており、清水市長は裸の王様的な存在で上遠野副市長にコントロールされているのではないかと、同市内部や自民党市議たちからささやかれている。同市の人事は上遠野副市長のお墨付きが最多となっており、早稲田大学の出身者の昇格率が高いという内部の指摘だ。
早くも同市議会に上程する前から同市議会議員の間で、清水市政のワンマンが露呈したといえる。

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 清水市長唯一の人事特権となる水道事業管理者には、代表監査委員の木村氏を起用するが、清水市長は、水道事業管理者をなくす予定だった。しかし、正常的な事業運営と政策的にも必要と考え廃止を断念した。市水道局は約150人の職員がおり、合理化で200人を切った。しかし、職員数は減ったものの、給水世帯は約12万あり、5万世帯を上回るため「同管理者は置く」となっている。同水道局は職員たちの努力により健全経営となっている。

 上遠野氏は1期4年を市政運営に尽力、清水市長を補佐してきたが、事情があり再起用には清水市長派などが再任に難色をしめしていた。上遠野副市長は、後進に副市長の座を譲るとして退任する意向だったが、当分の間はピンチヒッターとして市長の補佐役として市政に活躍させる清水市長の決断を優先、清水市長派も不満ながら再任に同意した。上遠野副市長に対しては、経済界などからも批判が高まっている。今回の代表監査委員起用でも副市長任期中に、小野保健福祉部長を特別職に昇格させるという清水市長に対する芝居が通用したといえる。

 清水市長は2期目の政策を構築するため、慎重に人事を進めてきたが、部内には副市長となる人材不足のため、とりあえず引き続き上遠野氏の再起用を固めたという。平氏に対しては新たに開業する同市立総合磐城共立病院があと約14カ月(来年12月)でオープンする運びとなるため、市民医療の充実を図るため平氏の再起用となった。
これらの人事で行政のコントロールをうまく運べるかがカギとなり、清水市長の2期目の市政に対する手腕が問われることになる。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)