人体に無害と行政は説明。「バイオマス発電で地域活性化図る」遠野興産が森林活性化に利用「ペレット年間3万トン生産」

 福島県いわき市遠野町に木質ペレットを利用してバイオマス発電施設で地域活性化を図るため、遠野興産(中野光社長)は、木質ペレットの生産と自家用発電のために新工場を建設する。しかし、環境に影響するとして共産党の伊藤浩之同市会議員(=同町在住)が「木質ペレット工場新設『遠野町住民に不安の声』遠野興産」という見出しのチラシを住民に配布した。チラシには、放射性物質の飛散・騒音・振動などの被害はないのかと心配を指摘している。いわき経済報が行政当局を取材したところ「環境に影響はない。数値も国の公害防止条例をクリアしているので問題はない」と指摘、放射線や騒音・振動などの環境に心配ないとのことであった。24日、同社は住民に工場建設の説明を行うことにしている。住民をあおるという行為に、一部の住民からはこれに対して「専門的な知識のない町民に、放射性物質などが飛散するという文書を配れば心配するのは当たり前だ」と、左翼市議を批判している。

 さらに、山村全信区長(遠野の環境を考える会・会長)は「放射能で汚染された伐採木材を燃焼、健康に対する不安は払拭できない。農作物などに影響しないか心配」などと、住民に回覧板的なチラシを配布、住民をあおっているように感じられる。

 山村区長は記者の取材に対し「学校や住宅のそばに工場を作られても困る。3年前から計画があったのに、ある程度、準備(新工場の計画)ができてから住民に知らせたため、反対しているので、工場の説明の場には行かない。伊藤浩之市会議員(共産党)に事務的なアドバイスを受け反対している。伊藤さんはオブザーバーとして協力を得ている。国の基準をクリアしているかも知れないが住民が反対しているので声を聴かないといけない。なにもないところで音が出るということは大変なことだ。24時間の稼働の工場だ」と語り、反対の立場を示した。

 伊藤浩之市会議員(共産党)は「木質ペレットのチラシを配った。住民が反対している」と、山村区長にアドバイスしていることも認めた。

 同社は、同町の丘陵地に、11月の操業を目標に、木質ペレットを燃料に、バイオマス発電設備を建設する。木質バイオマス燃料工場は、総事業費約19億6500万円(バイオマスの整備事業として約9億8200万円の補助)を投入、敷地面積5万1162平方メートルに、工場面積4624平方メートル、緑地面積2万1206平方メートルを確保する。製造量は年間最大3万トン、新規従業員は当面20人を超える採用となる。

 ペレット製造ライン、バックフィルター集塵機やディーゼルポンプなどから発生する騒音は敷地境界線で14・9デシベルから最大49・3デシベルとなり、国の公害防止条例に基づく環境基準以下となる。ちなみに、約60デシベルは、人の会話となる。

 灰と排ガス放射性物質は、皮付きチップとバーク各50%の混合燃料で、1キログラム当たり50ベクレル、バーク100%燃料は同当たり70ベクレルに制限している。これらの燃料放射性物質は同当たり700ベクレルから980ベクレルが国の基準となる。いずれも排ガス、騒音、水質などは大幅に低く抑えられている。

 また、ペレット製造施設熱電併給設備などを含むORC発電設備は自家用の発電として供給する。
このため、行政の手続きは、経済産業省など国の機関に提出、新工場の立地許認可を受けたものである。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)