建設費444億円に膨らむ「心臓外科はマニュアルに依存か」

いわき市は20日の記者会見で、いわき市医療センター(同市立総合磐城共立病院)を12月25日にオープンすると発表した。
同センターの常勤医師は127人(ピーク時は140人)の体制で市民の診療に当たるが、呼吸器内科の医師は常勤していない。また、心臓外科は手術ができるとしているものの、マニュアル的に依存する手術になっていると関係者は指摘する。また、放射線治療装置の高性能化で病気の発見に期待できる一方、がん医療機能が強化されるといっているが手術はできないという。同市の医師不足は当分解消されそうもない。

同医療センターは、内科、呼吸器外科、循環器内科など26科目、700床となる。総事業費約444億円を投入して建設されたが、大手ゼネコンの大成建設に発注した時点では297億6480万円だった。それが58億円を上回り、356億5000万円に修正した。骨材費や人件費の高騰を見込んでも、積算できなかった清水敏男・姿勢にも甘い判断があり、次から次へと増額、402億3000万円となり、最終的には444億円となった。清水市長は、業者の言いなりとなったわけで、デザインビルド方式の一括発注は何だったのか透明性がなく疑問が残る。関係者は、医療機器のリース計画を購入に切り替えたのも要因で、増額を余儀なくされたと説明している。
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新たに生まれ変わる同市医療センターは、大手ゼネコンの大成建設と地元業者の常磐開発JVで受注、工事費は297億6480万円だった。デザインビルド方式(実施設計も大成建設)で一括受注した。同市は30床増設を決め、人件費、骨材の高騰で工事費の増額が余儀なくされたといっているが、大成建設らJVの工事発注段階で、当初の予算では大成建設らが受注できないと指摘しており、同市は、骨材や人件費などの高騰の予測、スライド式に増額を認めると発言していた。
同市は市議会に対し、専門職2人で精査したと説明しているが、関係者からは疑問視されている。ちなみに鹿島建設と清水建設は、デザインビルド事業者から降りた。大手ゼネコンの関係者は、官製談合の疑いがあったと指摘している。

来年2月からは、既存の病棟の解体工事を始めるとしているが、解体工事や駐車場整備に総事業費約50億円(解体に約25億円)をかけると、記者発表した。関係者の説明によると、解体業者は地元を使うといっていたが、大成建設と常磐開発JVにまかせてあるという。地元は孫請けやひ孫受けとなる。(敬称略)

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)