いわき市立総合磐城共立病院「建設費100億円増額へ」2月市議会に補正予算上程「総額444億円に膨らむ」清水市政に責任か

 関係筋が2月1日までに明らかにしたところによると、福島県いわき市(清水敏男市長)は、新しく建設を進めている同市立総合磐城共立病院の工事費が4億8000万円を上回り、総額444億円になることが分かった。28日に行われた同市議会の一般質問で、佐藤和美議員(48)=志帥会=が、市当局の真意をただした。

 それによると、事業費用は人件費高騰などが主な理由となっている。佐藤議員は、これまで同病院建設の透明性を訴えてきたが、増額を繰り返されているとして①事業費変更の理由②その内容③事業費の今後の見込み④全体の費用⑤国・福島県からの補助金見込み⑥解体費用(現在使用している同病院)などを厳しく質問した。

 同市は、同病院建設費増額の約440億円から約4億8000万円を増えて約444億円となることを説明した。大手ゼネコンの大成建設に発注した時点では、297億6480万円だった。デザインビルド方式で一括受注したものであり、同市と同社は、骨材費や人件費の高騰を見込み積算したはずだが、次から次に増額、約58億円増額で356億5000万円となった。骨材などの高騰で増額を余儀なくされたとしているが、物価上昇分も含め、約402億3000万円、いつのまにか約440億円となり、2月の議会では約4億8000万円を上程するが、増額分は同病院の総経費で計上しているため、実質的に人件費で増額になった数字は、表立った予算には分かりにくくなっていた。

 佐藤議員は「21世紀の整備事業費は約200億円で、同病院は倍増した」と指摘、疑問を感じている市民もいる。
同病院の基本設計時は700床、約343億円、実施設計は機能充実で全体を約402億円とした。このあと医療機器のリース計画だったが購入に切り替えた。そのため、27億円増額を含め、約440億円になった。

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 新生病院となる「いわき市立総合磐城共立病院」は、大手ゼネコンの大成建設と地元業者の常磐開発JVの工事費は297億6480万円で、デザインビルド方式(実施設計も大成建設)で一括受注した。58億円増額で合計355億6480万円となる。
同市は、30床増設や人件費、骨材の高騰で工事費の増額が余儀なくされたといっているが、物価上昇分などとして58億円程度の増額することで議会対策に課題を残したといえる。
 同市は、大成建設らJVの工事発注段階で、骨材や人件費などの高騰の発注額の予測が付かなかったのか疑問が残る。同市部内に大型事業に対応できる専門職がいなかったことが、今回の増額を招くことになったと建築家などから指摘されている。

 同市は、市議会に対し、専門職2人で精査したと説明しているが、関係者からは疑問視されている。ちなみに鹿島建設と清水建設は、デザインビルド事業者から降りた。大手ゼネコンを含め、関係者は官製談合の疑いがあったと指摘している。

 清水市長の30床増床決断は別にしても、工事発注は3年から5年程度の先行きを見越して積算、工事予算を決めるという。いわき経済報の取材調査によると、同市の判断が甘かったほか、鹿島や清水は、同市が提供した工事額では赤字となり、下請け業者を泣かすことになり工事に自信が持てないから自主的に降りたというが、業者に伝わった噂だと文字通り官製談合だったという。同市が的確な予算を組んでいれば、鹿島、清水、大成の3者で競えば、デザインビルドのそれこそ最優秀提案ができたはずである。

 いわき経済報は、同市は3社に対し、人件費や骨材費などの高騰があった場合は、それなりに物価上昇分をスライドし上乗せすると決めていた事実をつかんでいたが、増額は実際にその通りとなった。現在使用している病棟の解体にも莫大な税金を投入することになり、清水市政の常識ある的確な判断が望まれる。
◇おことわり 新病院の建設内容報道については、2015年1月1日号と17年8月21日の本紙既報。いわき経済報電子版でもPDFで伝えています。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)