伊藤・渡辺・溝口・坂本の各立候補予定者「市議選は9月4日告示・11投票」即日開票へ

日本共産党いわき市議団ら4人が公職選挙法に抵触か

 福島県いわき市選挙管理委員会事務局は、日本共産党いわき市議団らに対し、文書図画などに抵触する理由で公職選挙法違反の疑いがあるため、9日までに同いわき市議団の伊藤浩之団長に厳重注意していたことが分かった。

 9月4日告示、11日投票、即日開票のいわき市議会議員選挙のため、各立候補予定者は戦いの拠点となる後援会事務所開きを行い事実上選挙戦に突入している。この選挙に立候補を予定している日本共産党の坂本康一(51=新)が、公共の場でフルネームの入ったタスキを掛け、のぼりを掲げ、街頭演説していたことが市民から同管理委員会に通報されたため、同事務局は公職選挙法に抵触するとして伊藤団長に対し、厳重注意を行ったという。これとは別に関係機関によると、同いわき市議団の伊藤浩之(55)、渡辺博之(51)、溝口民子(69)の3人と坂本立候補予定者が、7月31日に市内で、後援会の事務所開きをこぞって行ったが、いずれもフルネームの入ったタスキを肩から掛けていた事実に対しても公選法に抵触する疑いが出てきた。

 第16項に掲げる公職の候補者または候補者となろうとする者は、選挙活動のため、使用される公職の候補者などの氏名または類推されるような事項を表示する文書図画の掲示する行為は第199条の5第一項に規定する政治活動のため、1から3まで以外の掲示する行為は第1項の禁止行為に該当するものとみなす。ポスターを掲示するため壁などに貼り付けることは公選法に抵触しないが、ベニヤ板などで裏打ちするのは抵触する。たすきも同様だという。同事務所前は街頭と見なされ各立候補予定者ともフルネームの入った「たすき」を肩から斜めにかけ、共産党に限らず同事務所前に集まった人たちに向けて主義主張とも受け止められる演説を行った行為は公選法の疑いが持たれるという。たすきには、日本共産党という党名はいいが、伊藤ひろゆき、みぞぐち民子、坂本こういち、わたなべ博之と各候補者とも堂々とたすきに名前を掲げ演説していたという。

 これら4人は、公選法第143条の中で選挙運動のため使用する文書図画(公職の候補者、またはなろうとする者が使用するたすき、腕章及び腕章類)などは、告示から選挙期間中以外は掲示できないことになっている。伊藤団長は「限られた空間の中で」と主張するが、夕刊紙で報道された以上、公となり限られた空間ではなくなるはずだ。

 一方、保守政党や無所属などの各候補予定者は、後援会の事務所開きで、フルネームを入れたたすきを肩からさげて選挙活動ともいえる支持者への演説は行っていない。

 この後援会の事務所開きによる集団的な「たすき」による立候補予定者の記事が8月1日の地元紙の夕刊に掲載された。この記事や写真を見た現職議員は、公選法にのっとり真面目に活動しているだけに、正直者は馬鹿を見ると物議をかもし出した。夕刊紙には、たすきを掛けた4人の共産党の立候補予定者の写真が掲載され、たすきの名前もはっきりと写しだされている。一般論でいうと新聞に掲載された「たすき」の名前は塗りつぶして掲載するのが常識である。夕刊紙は、公選法に抵触すると知って掲載したのなら社会的なリスクは大きい。夕刊紙は新たな記事を含め、そのまま写真を掲載した理由を釈明すべきである。

 9月の市議選に立候補するある複数の現職議員たちは「我々が共産党立候補予定者のように、こぞって『たすき』掛けて演説、行動したらどうなるのか。当然問題視される」と言い切り、市選管や警察は厳しく対応してほしいと注文を付けた。日本共産党いわき市議団ら4人に対する不満が爆発した形となった。

 いわき経済報の調査だと、公選法文書図画の違反や抵触で、実際に摘発された立候補者らはいないが、悪いと知っていながら行動に移せば得策という考えはこすい考えである。表現の自由や言論の自由などとは違い論外である。市選管は警察に事実を報告しているはずで、警察が立件しなければ意味がない。この種の問題は、司法当局が立件しなければ永劫回帰となり、公選法第143条はザル法で不公平となり、不法と知っても文書図画などを掲げたほうが儲け得である。いわき中央署の捜査に期待したいと現職議員たちはぼやく。

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 日本共産党いわき市議団ら4人が、後援会の事務所開きで自分の名前入り「たすき」を肩から掛けて集まった人らにマイクを握り演説したのは公職選挙法第143条に抵触する疑いと、いわき市選挙管理委員会事務局から坂本立候補予定者の行為に対し、厳重注意を受けた事実があったことから、いわき経済報ではこのほど、同市議団の伊藤浩之団長に、取材を行った。これに対し、伊藤団長は同選管から注意を受けたことを認めながらも「限られた空間の中で行ったことだ。見解の相違はあるが…。

 今後は行わない。私どもは問題がないと考えている」と同選管の事情聴取でも説明している。
ちなみに、地元紙となる県民の新聞は、どうしたのだろうか。同市選挙管理委員会から公選法違反・抵触があるとして、共産党立候補予定者が公選法に抵触すると指摘されたにもかかわらず報道に至っていない。同市選管からが厳重注意を受けた事実は重大である。(敬称略)

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)