「天の声か」スタジアム可能性調査委託審査←―→いわき市の発注に疑惑

 天の声か―。福島県いわき市(清水敏男・市長)は、スタジアムを中心としたまちづくり事業可能性調査業務委託を「PwCアドバイザリー合同会社・平林康洋代表執行役、東京都千代田区」に発注したが、この会社は米国内のアンダーアーマー社と関係があるPWCのネットワーク日本法人で、PWCはUA社の監査法人と明記されている関係のある会社とみられ、アンダーアーマー社の製品を国内で販売しているドーム(安田秀一社長、東京都)が、いわきFCを立ち上げ、サッカースタジアム建設を清水市長に約束したという。関係者によると、公募型プロポーザル審査で受注した同アドバイザリー合同会社はPWCと関係が浮上した。このため、関係者によると、同市の発注に疑惑がもたれている。PWC、PwCアドバイザリー合同会社、アンダーアーマー社、ドーム社といったように、関連性があるため清水市長は、ドームをひいきにしているようで審査に疑惑があると思われても仕方がない。

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 「天の声か―」と文字通り疑惑を持たれること必至だ。PwCアドバイザリー合同会社は、どうも米国PWCとのつながりが濃厚となっているからだ。5月24日に行われたプロポーザル審査に疑惑がでてきた。会社法人のみずほ総合研究所(C社)よりもPwCアドバイザリー合同会社(A社)の審査委員の得点が55・77と上回りみずほ総研は次点に泣いた。ゴロ合わせの得点も疑問だ。A社が最優秀提案者となった。そのほか、三菱総合研究所やデロイトトーマツ・プランテック総合計画事務所共同提案体、日本総合研究所の3社が加わった。この審査で委員全員が同市の幹部職員が仕切った。
いわき経済報では、審査結果の全ての情報開示を求めた。そこに審査の議事録はなかった。関係者によると審査の時の議事録は記録していないという。なぜ議事録は無視されたのか…。
この審査の疑惑を招いているのは、PWCとの関連であるが、PwCアドバイザリー合同会社が子会社として設立されたのなら国内では法律に抵触しないとしてもPWC、アンダーアーマー社、ドームは、それぞれ関連があるものとみられ、疑わしきは罰せずということわざがあるが、道義的に許されるものではない。PwCアドバイザリーに高得点を与えたのは見え見えである。

 米国のPWCとアンダーアーマー社、PwCアドバイザリー合同会社は関連するものとみられ、アンダーアーマー社の製品は、いわきFCと関連のあるドーム(安田秀一社長、東京都)が販売している。このため、疑惑の審査と指摘されても仕方がない。
本紙の調査だと、米国の財務諸表や補足データによると、アンダーアーマー社の財務報告の内部統制を適法に維持管理する義務がある。この仕組みの有効性はすでに確認されている。2017年12月期の財務報告にかかる内部統制は有効という結論に達し、米国の独立した公認会計士事務所で18年2月までに監査を終えている。同社とPWC会計事務所の関係は監査法人と被監査会社の関係のみが財務諸表に合う内容として記載されている。米国では過去に、監査法人が経営コンサルタント事業の兼務を許されていたが、被監査会社とグルになって不正会計を行い大事件に発展した事例がある。いわゆる「エンロン事件」である。そのため、監査法人は監査を実施する会社のコンサルタントはできないように法律が制定された。
PWCはUA社の監査法人であるため、経営コンサルタントはできないといわれている。
PWCは関連会社として経営コンサルタント会社を持ち、監査法人とは別に、子会社がUA社のコンサルタントを受け持っているという。
PwCアドバイザリー合同会社もエンロン事件にならないように監査法人と切り離しているものとみられており、わが国の法律に抵触しないまでも関連性がありありだ。間接的に利害関係は必至で道義的にも清水市長・市政に重大な責任があるといえよう。
この審査は、ABCDEの各社(日本語名社名は伏せた)としているが、天の声があったとしたらPwCアドバイザリー合同会社をA社と知っている委員は高得点を入れるのは常識となる。この審査で9人の全委員がA社に高得点を入れたのは各委員が偶然なのか、それとも天から告げられた通りになったのかは定かでない…。

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 「1万5000人のサッカースタジアムはJ3になってからでも遅くない」と、サッカーなどを研究しているいわき市内に住むSさん(38)が語る。いわきFCは、東北社会人サッカーリーグ2部南リーグにとどまっているが、J3に昇格するには、山あり谷ありだ。超一流の選手をスカウトするのが不可欠である。
「いわき市をスポーツの力で東北一の都市にする」などと寝ぼけたことを言いたい放題の関係者がいる。都市開発のイロハもままならない同市だ。来年度は一般会計予算100億円のマイナスシーリングとなる。あらゆるスポーツは市民全体で盛り上げていくことが必要である。降って湧いたように2015年にドームが、いわきスポーツクラブを会社法人として設立、いわきFCの運営権を一般社団法人から譲り受け立ち上げた。

清水市長は税金を使用してまでもなぜ、サッカースタジアムに熱を上げるのか―。
安田社長は「スタジアム施設はドーム(会社)がやるから市はJR常磐線の駅から歩いていける場所だけを決めてほしい」と約束している。
「清水市長は、立地の位置だけを決めればそれで済むことだ。ドームと連携して熱狂的にスタジアム建設を急ぐ理由も必要性もない。市民の盛り上がりが必要だ」と、市内に住む経済人Iさん(61)は語る。

 鈴木演議員(38)の9月の市議会でスタジアム事業可能性調査についての質問に対し「いわきFCがJリーグに昇格を見据えて、地域特性やポテンシャルやスポーツビジネスで取り組む。1万5000人規模の施設を基軸に適正規模を検討する」としているが、国からの助成があったとしても血税を使われては市民はやりきれない。ドーム社が全資金を持つといっていたが、清水市長の動きは市が主体となりスタジアム建設に取り組む方針のようだ。
同市議会の良識のある各議員は「税金を使用することに抵抗があり賛成できない。市民本意であれば環境整備もできる。事業可能性調査の方向性とはいえ急ぐ理由が不明である」と語る。ちなみに、スタジアムは1万5000人規模だと建設費は150億円から200億円になるという。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)