「いわき市が21世紀の森グリーンフィールド改造」市議会採決の方針

 新型コロナウイルス感染拡大対策に十分な補償がなく、産業界そっちのけにサッカー場の建設をなぜ急ぐのか―。市内に住む学識経験者Aさんは「内田広之市長(いわき市)は市民の声に耳を傾けているのか。いわきFCが大切なのかは不明だが、時間をかけて必要性を判断してほしい」と指摘する。9日、関係者の話によると、いわき市議会最終日となる10日、同市議会で採決されるということが分かった。

 サッカーで税収増は望めない。本紙=2018年7月1日付け既報・電子版も=いわきスポーツクラブ(いわきFC)の大倉智社長=JFL所属=らはサッカーで東北一の都市にするという。いわき市の内田広之市長は日本一の教育(日本一学力)の公約を掲げた。現在、主な公約は実行されていないという。
 内田市長が打ち出した21世紀の森のグリーンフィールド改造は、ほとんど市民のためにならない。いわきFCのため、規格に合う4基の光度の照明塔や収容人員2300席を5000席の規模に増やし、新たに人工芝(劣化が進めば年に一度の張り替えが必至)のほか、大型映像装置やドーピング検査室、選手のシャワー室などを設けるとしている。事実上、同FCチームのために巨額な税金を投じてまでサッカーをJ1の日本一としたいのか、市長の心の中は一寸闇である。同市では、グリーンフィールド(サッカー場)の改造どころではないはずだ。新型コロナウイルス感染の経済対策に取り組むべきである。
 関係者は「ラグビーや一般市民のフットボール試合や練習には、ドーピング検査室などの設備は必要ない。内田市長は、市民も利用できる施設にするというが、実際は一企業である同FCのために税金を投入するということだ」と指摘している。同フィールドは通年、頻繁に使用していないのが実情だという。

「観光や農林水産業振興に使う金」

 清水敏男・前市長は、新たにサッカー場建設のため、PWCアドバイザリー合同会社に2009万8800円で調査費を計上=2019年8月23日、いわき経済報臨時特別号既報=した。同社に調査報告書を作成させるなど無駄遣いがあった。この調査によると、収容1万5000人規模で建設費120億円という結果がでた。このため、血税の投入で経済効果も期待できず、赤字経営を余儀なくされるため、サッカー場の建設の結論がでなかった。
 また、水面下でグリーンフィールドの改造計画を立てたものの20億円前後という巨額な税金投入が見込まれるため、昨年9月の市長選を前に3期目を戦うのは市民の賛同が得られず不利と見て断念した経緯があり、同フィールド改修・改造は先送りした。
 内田市長は、2月に、ドーム(安田秀一社長)が事実上経営する同ポーツクラブのサッカーチーム「いわきFC」のために、市議会に説明した工事費は5000席で21億5600万円となるが、同グリーンフィールドを事実上改造(同市は改修といっている)の建設に踏み切る予算は清水前市長が見積もった予算は席数が違うという。内田市長は2月の市議会最終日に補正追加提案することを議会各会派に説明し、文字通り議会は最終日に可決する予定だ。関係者によると、早ければ5月ごろには着手するという。

 新型コロナウイルス感染拡大が続いている最中、内田市長はサッカー場の建設に、なぜ躍起なのか疑問符が付く。コロナ感染対策で市内の飲食店、タクシー業界、運送業、各種製造業などが経済的な低迷に陥っているとき、コロナ禍の中、巨額の税金を投じてのサッカー場建設は市民が納得せず「一企業のために税金100%使用か」と批判が高まっている。

「税金21億5600万円に批判」

 関係者は、国の地方創生拠点整備交付金8億4316万5000円、学校施設環境改善交付金1億604万1000円、地方創生推進交付金916万9000円が支給されたとしても建設費の合計21億円5600万円のうち、都市計画事業債10億5200万円、一般財源1億4562万5000円、合計11億9762万5000円が同市の市債(借金)を使い負担すると説明している。
 この整備交付金は、デジタル田園都市国家構想による地方活性化を目的に国から交付されるもので、サッカー場建設資金に全額当てるものではないという。同FCのホームスタジアムとして使用するため、ほぼ専用化、ラグビーなどは事実上使用できなくなると心配されている声も―。 
 同FCはJ3に昇格、基準を満たした試合会場は持っていない。日本サッカー協会(JFA)によると、席数や照明塔など基準に合った施設が必要となる。将来はJ2のライセンスを目指すと意気込むが、一部企業に対する税金の丸投げは避けるべきだ。同市議会は市内の経済界が困っているコロナ感染対策に対応すべきで、21億円という巨額を投じるサッカー場の改造を否決しないというのは、市民の代表者だけに残念である。

「いわきFC経営が厳しい」

 内田市長は、同FCが来季からJ3の昇格を契機に、2023年のJリーグ開幕までにホームスタジアムとして間に合わせるため建設を進めるもので、一民間企業の利益のために判断したとすれば内田市長の目先だけの決断となる。
 関係者によると、清水前市長の時から同市は5000席から1万席の改造を検討課題としていたという。引き続き水面下で1万席以上の本格的なサッカー場の整備計画に着手するという方針であれば理不尽だ。
 同FCは広野町のJヴィレッジがホームスタジアムとなっているが、照明の光度が基準でないため、猶予期間の終わる23年のサッカーシーズンまでに新たなホーム施設を必要としていた。
 関係者によると双葉郡にホームタウンを広げたのは資金集めが目的といわれている。ドームが事実上運営しているFCパークに自前のコートを5000席に改修・改造すべきで、市民の血税の投入は反対と主張する。関係者によるとドーム、いわきFCの経営は厳しいという。

写真=21世紀の森グリーンフィールド「いわきFCのため改造へ」
21世紀の森グリーンフィールド

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