「プライベートの集まりと記者には否定」主賓にK市議、S県議らを招く

 「宇佐美登と新生いわきを創る会」は、このほど、いわき市内の宴会場で関係者を招き懇親会を開いた。このプライベートの集まりには、同会実行委員会が催したもので、東日本大震災から5年半、市長選挙から3年が過ぎ、現市長の任期もあと1年となったことから仕掛けたもので、宴会に顔を出した人たちから話を聞いた。宇佐美氏は、記者に対し、「プライベートの集まりだ」と言い切るものの、「事実上、出馬宣言と受け止め、本音がでたようだ」と、いわき経済報は信じ、主張する。

 いわき市長選は、来年9月に行われる予定で、2013年の市長選では、宇佐美氏は、清水敏男氏(当選)、渡辺敬夫氏に次いで最下部で落選している。プライベート集まりの事実上の出馬宣言となるが、来年9月の市長選には、正式に出馬するものと見られ、これらのほかにも立候補者出馬のうわさはあるが、現状では現市長の清水氏と一騎打ちとなる公算だ。消息筋によると、宇佐美氏には公明党(同党の仲間である創価学会)など事実上の野党が支持するものと見られているという。

 この宴会には、いわき市議会議員のK氏(74)と福島県議会議員のS氏(71)、それに同議員のK氏(73)らが主賓として顔を出した政治色の強い会費制の宴会(政治資金パーティー的なもの)となった。会費は法人1万円、個人5000円だったという。宴会場に招かれた人たちは約300人の男女で、文字通り政治色の強い挨拶が終わったあと、雑談が進む中、チークダンスも飛び出す騒ぎになり宴会を盛り上げたが、プライベートの集まりにはよくあることだ。

 この宴会に参加した市内のS氏(68)の話だと、宇佐美氏は、①共立病院(新たに建設している市立総合磐城共立病院)の労働者住宅(ゼネコンの宿舎と思われる)に、市が7億円かけている。宿舎を壊せば無駄遣いになり、最先端の医療機器も入れられない。②保険料も高い。横浜市の人は魚もうまいので、いわき市に来たが、引っ越していった。保険料を安くすることを検討する。③教育予算を削らず増やす―などと熱弁を振るい支持を呼びかけたという。宇佐美氏が発言した保険料や教育問題内容は、すでに市が対応していることであり、新たな政策でもなく、政治家、あるいは政治家を目指す一般的な語り事であり、レベルの高い話ではない。

 同実行委員会の案内によると、いわきの抱える根本的な課題は山積みされたままで、特に深刻な医療過疎に対して十分な施策も行うことなく過ぎている。安心できる医療体制と産業政策、教育政策の充実した新生いわきを創るため、懇親会の場を企画したと表現している。

 このようなことは目新しいものではなく、現在の市政運営の中でも強化している最中である。特に医療問題は、歴代市長が真剣に取り組んできているもので、全国どこの地方都市でも医師不足が叫ばれており、首長が代わったからといって、そう簡単には物事は運ばない。また、共立病院の労働者住宅に市が7億円を掛けていると発言しているが、東電福島第一原発事故処理の作業員や約4年後の東京オリンピックで、作業員不足を補うために事業費の中に計上したもので、同病院建設の遅れがないように開業を目指すためである。この事業費は6億円強である。新たな共立病院には、最先端の医療機器類を導入することが決まっている。医師不足解消には、市としては最大限に努力する必要が迫られている。宇佐美氏の発言が事実とすれば正確な情報を支持者に発信してほしいものである。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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