「21億円で発注も天の声か」いわき市

 福島県いわき市の21世紀の森にあるグリーンフィールド改造建設は大成JVに決まった。事業費21億5600万円。観光や農林水産業振興に使う税金が、一つの企業にサッカー場の改造に全額使用する。内田広之市長は市民の生活向上を考えているのか―。「スタジアムで赤字を背負う市民・いわきFCのために」いわき経済報電子版=2022年3月9日に既報。サッカーで税収増は望めない。2018年7月1日付け既報・電子版も=いわきスポーツクラブ(いわきFC)の大倉智社長=JFL所属=らはサッカーで東北一の都市にするという。

 元・清水敏男市長がグリーンフィールド改造に真剣に取り組んでいたが、いわきFCがJ2に昇格した場合は同フィールド改造が無駄となるため断念した経緯がある。内田市長になって再浮上したわけは、関係者が「内田市長支持者と関係のある影の人物が仕掛け人とされる」と、いわき経済報に情報が飛び込んできた。
 「さきに大成建設、福浜大一建設(いわき市)が公募、大和電設工業(同市)が落札を真剣に考えている」と土建業者からタレこみがあった。安藤・間と鹿島建設などが公募をにらんでいたといわれ、天の声というべきか、大成をメーンとした公募に仕掛けられたという業界のざわめきが巻き起こったと関係者は指摘する。

 同フィールド改造の事業は、公募型プロポーザル方式で、同プロポーザル審査委員会は紺野勝彦都市建設部次長、堀田稔公園緑地課長、小島誠一創生推進課長、佐藤浩伯学校支援課長、伊藤晴輝スポーツ振興課長、緑川安彦住宅営繕課長、いわき市総合評価委員(緑川猛彦・福島高専都市システム工学科教授)7人組で構成、審査をしたという。
 5月13日に技術提案審査が行われ、最終的に業者を決めたが、提案者数1者だけという極めて異常な公募となった。提案者の評価点も153点という形だけの評価になったようだ。
 この公募には、大手ゼネコンの大成建設、福浜大一建設、大和電設工業、梓設計特定建設工事共同企業体の文字通り1者だけが公募したが、関係者は、大和電設工業などがJVに組み入れられた構成に、間接的に関係のある職員は驚きの声を上げたという。
 同フィールド改造はメーンスタンドのほかに、夜間照明設備(設備費10億円を上回る見込み)、天然芝、大型映像装置、バック・サイドスタンドの新設など約21億5600万円を投じ、来年のサッカーシーズンまでに完成させる。いわき経済報22年4月1日電子版=赤字背負う市民=既報も。

関係者青くなるもY電設も参加

 これまでも同市は、大成建設に、2018年12月にオープンした同市医療センターを約358億円(そのほかの関連工事などを含めると合計439億円)で発注した。
 同医療センターは鹿島などが受注したかったが同市が示した工事費に採算が合わないとしてデザインビルド事業を辞退した。基本設計は梓設計だったが、本設計を含める条件で大成が請け負った。大成は梓を設計関係に抱き込んでいる。
 さらに、大成には同市役所本庁舎耐震工事に約66億円で発注している。大成は地盤の軟弱などを指摘し、再三に渡り不足だとして増額を要求してきた。当時の清水敏男市長は増額を認めてきた。工期も予定より大幅に遅れた。

市医療センターと本庁舎耐震工事に続く受注 なぜ大成か

 同市は、同フィールド改造工事も大成・梓などJVラインで受注した。この改造費用に不足という事態になる可能性も含んでおり、関係者は大成の動きに注視すべきである。
 同市内の主な事業は鹿島が強かったが、時代の流れで清水建設や大林組、安藤・間などが入り乱れ、このところ大成がはばを利かせている。

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 新型コロナウイルス感染拡大が続いている最中、内田市長は、サッカー場の建設に躍起なのか疑問符が付く。コロナ感染対策で市内の飲食店、タクシー業界、運送業、各種製造業などが経済的な低迷に陥っているとき、コロナ対策(言葉だけで主張)そっちのけで巨額の税金を投じてのサッカー場の建設は市民が納得せず文字通り「一企業のために税金100%使用か」と批判が高まっている。
 関係者は、国のデジタル田園都市国家構想の地方創生拠点整備交付金8億4316万5000円、学校施設環境改善交付金1億604万1000円、地方創生推進交付金916万9000円が支給されたとしても建設費の合計21億5600万円のうち都市計画事業債10億5200万円、一般財源1億4562万5000円が同市の税金(借金)を使い負担すると説明しているのが、市の負担軽減だという税のからくりだ。
 関係者によるとドームはこれまで、いわきFCに運営費として約3億円を支出していたが、最近は3分の1以下となった。大倉智社長は「会費1口1万円としていたが同3000円とし、会員数を広く募っている」と指摘している。
 さらに「市内企業から莫大な資金を集めたが、同社決算内容は詳細な公を避け、不明である」と指摘する声がある。同FCパークの運営も厳しいのが実情だ。
 いわき経済報がドームの経営難を報道した通り、株の売却を伊藤忠商事に余儀なくされた。関係者によると、この6月にはドームから全面的に経営権を取得する。
 伊藤忠はFC東京を抱えていおり、サッカーに意欲を示しているだけに、いわきFCの経営を引き継ぐことになる。
 ちなみに、関係者によると、アスルクラロ沼津(J3)は、静岡県と沼津市に照明器具を設置したいとして税金補助を要請したが、行政側は自前で資金調達するよう税金の投入は断った。

21世紀の森グリーンフィールド
写真=グリーンフィールドの改造は大成JVに決まる

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