大成建設もっとよこせに市民感情批判「耐震工事66億5000万円投じる」

公共関連 20/09/2019

佐藤和美議員らが9月議会で追及「否決の場合は工事中止」

 福島県いわき市(清水敏男市長)の9月市議会で17日、佐藤和美議員(50)が、大成建設が同市から受注している本庁舎(現庁舎)の耐震工事に伴う異なった公募型プロポーザル選定や既存杭高止まり、2度の補正予算を求める理由などについて清水市長らに質問した。
 同市に対し、大成が、地盤軟弱で既存の杭高止まり費用など「工事費をもっとよこせと要求している」のに対する市が補正を組む理由を説明しているもので、市議会で可決させると総額66億5509万円にのぼる耐震工事となる。
 佐藤議員は、予算案が否決された場合はどんな事態が想定されるのかと市側をただした。
岡田正彦総務部長は「大成の意見を聞きながらリスク分担で判断、設計変更、工事の中止もある」と発言していた。この詐欺まがいの工事方法に、市議会としても税金の無駄など真摯に受け止める必要がある。

 清水市長は「国から交付税がもらえるため、耐震性を図ることにした。緊急防災や減災事業債を活用し、市の負担を節約できる」と語り、市議会の理解を求めたが、いずれにしても国民の血税だ。耐震工事により約30年持つとされる現庁舎だが、本体内部など維持補修に巨額な税金を投入することになり、耐震工事よりも、新築に伴う経済効果のほうが高いという。このような清水市長のレベルの低い感覚では、市民がやりきれない。それよりも業者から仕組まれたプロポーザル発注ではないかと、ほかのスーパーゼネコンの噂だ。この耐震工事は、正当性がないもので、他社はなぜかプロポーザルに参加せず辞退している。3・11の東日本大震災後、基礎パイル(ひび割れなど劣化)がダメになっているとすれば、なおさら新築の正当性があったと指摘している関係者もいる。

 清水市長側は、約48年前の施工業者の責任に転換しているようだが、専門家に調査依頼もせず、ジェイアール東日本建築設計事務所らに設計業務委託、大成に丸投げした責任は重大だ。なぜジェイアール、大成に発注なのかを追求すべきである。地下埋設のパイプなど、骨材関係が判明できるとすればモグラに聞いてみないとわからないが、専門家など人間に聞けば、地下がどうなっているかは予測できたはずだ。労務単価にしても骨材高騰にしてもスーパーゼネコン、設計は先を読めるはずであり、工事費の不足の重なりで認めれば税金の無駄遣いとなり、あまりにも知識がない清水市長を含めた同市側の発注にあきれるばかりだ。佐藤議員の質問に対しても専門的な知識を持った答弁にほど遠い。同市議会傍聴席では大成の従業員が、質問のやり取りに聞き入っていたという。

 約48年前、当時工事を担当していた間組は、地盤軟弱のためパイルを必要以上に設置したと聞いている。同市平地区の7階から10階程度のビルだとパイルは地下40メートル前後で、基盤到達となる。いわき平競輪場やアリオス、ラトブなどは、地下42メートルから43メートルのパイルを打ち込んでいる。日本電信電話会社(NTT)のビルでも基盤まで到達しているという。これら同市が発注した建物の設計図面は、同市やゼネコンでは把握している。同市平地区は、粘土、沖積層なのでなべ底への到達にはかなりの深度がある。高層ビルでは、鉄筋コンクリートの場所打ちが定番となっているという。

 本庁舎の耐震改修工事(免震装置)を進めているが、2017年6月に、同市が大成建設(村田誉之社長)と工事契約を結んだ。契約金額は57億6720万円となった。契約工期は19年8月30日となっているが大幅に遅れている。=いわき経済報8月23日号と28日電子版既報。
 この本庁舎耐震改修事業については、佐藤和美議員のほか、伊藤浩之、馬上卓也、各議員のほか、20日には、佐藤和良議員が、公募型プロポーザルから工事経過のうち、杭打ち報告書の提供を同市と大成が実施 設計委託契約締結前に、大成に提供されたかなどを質疑として質問する。

いわき市役所・耐震工事・税金問題

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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