旧天田愚庵邸が国の登録有形文化財に正式に新規登録される

公共関連 12/09/2019

いわき市の松ヶ岡公園エリアに保存「愚庵会が管理」

 国の文化審議会は、文部科学大臣に旧天田愚庵邸を登録有形文化財に建造物として新規登録を答申していたが、10日、正式に新規登録された。新たに登録された有形文化財は旧天田愚庵邸を含め5カ所8件となった。

 旧天田愚庵邸は、福島県いわき市の松ヶ岡公園エリアの一角にあり、同市の愚庵会(樫村弘会長)が清掃などを行い管理している。樫村会長は「旧天田愚庵邸が登録有形文化財に登録されることは歴史的、文化的にも意義がある。愚庵会は同市に文化財として登録するよう要請していたもの。正式に決まったことなので、市は保存にも力を入れほしい。愚庵の魅力は文才、人生観にある。今後は屋根などの補修を進め、予算も絡むが万全の態勢で取り組んでほしい」と嬉しい悲鳴を上げていた。
文化財保護法によると、文化財としての価値があるもので、文化財登録原簿に登録されるという。

 緑川伸幸いわき市特定政策推進監は「天田愚庵が終の棲家(ついのすみか)とした庵が、国の登録有形文化財に登録されたことは大変喜ばしく市の貴重な歴史的資源である旧天田愚庵邸の確実な保存に努めながら未来へ継承と一層の活用に取り組みたい」と語る。

 天田愚庵は、磐城平藩出身の歌人であり漢詩や和歌の才能に優れ、正岡子規など日本を代表する俳人、歌人に影響を与えるなど明治文学の革新運動に貢献した偉人。旧天田愚庵邸は、かやぶき屋根などが傷んでおり今にも崩れそうであり、同市は、文化財保護の立場からも同邸の補修工事や防火設備などを設けるなど確実な保存に取り組んでほしい。

 旧天田愚庵邸の登録有形文化財の登録の背景には、愚庵会が同市教育委員会などに文化財として登録申請するよう要請していた。2018年に文科省関係者が同市にある旧天田愚庵邸の調査を行っていた。
天田愚庵(甘田久五郎)は1854年磐城平の産。平藩勘定奉行甘田平太夫の5男として生まれる。1904年に51歳の生涯を終えた。山岡鉄舟に禅要を学び、清水次郎長の養子となる。天龍寺滴水に参禅、静岡市の臨済宗の僧侶で知られる。この愚庵邸は、京都府から移設したものであるが、いわき市民にはあまり知られていない。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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