無理な宮城遠征に批判「コロナ感染直後入学式も」父兄ら心配も

 新型コロナウイルスの感染拡大が大阪・東京など最高潮に達するという中、緊急事態宣言の初めの発令から7日で1年が過ぎた。コロナとの闘いはこれからだが、福島県いわき市(清水敏男市長)にある昌平黌(緑川浩司理事長)の運営する東日本国際大学(吉村作治学長)野球部で部員約150人のうちこれまでの8人と合わせ、新たに6日発表の4人、を含め、感染集団は12人、合計42人が感染した。緑川理事長らの責任は重い。

 野球部員は、宮城県が独自の緊急事態宣言を出した後、コロナ感染が心配されている3月下旬、仙台市と石巻市で30人という大勢で宿泊遠征を、さらに茨城にも遠征した。また、いわき市に宮城、茨城、岩手の各県の野球部員と練習試合を行った。体調をくずしていた部員もいる中、硬式野球部長を務める福迫昌之学長代行にコロナを甘く見ていると遠征野球に関係者から批判がでていた。さらに、5日には、緑川理事長のもと同市施設アリオスで、大々的に入学式を挙行したというから驚きだ。100密もいいところとなり、父兄らからは「感染拡大にならなければいいが」と心配の声もでている。同大では入学式を終えたばかりなのに対面授業を取りやめた。いわき短期大学も休講している。

 また、野球部員の証言として「3月上旬から野球部員10人ほどが、発熱し味覚・嗅覚障害を訴えていたが遠征を行った。また、スタッフの指示により大学の提携病院を受診したがPCR検査は必要ないとされた」とNHKで報道されており大学・病院の対応に問題があったのではないか。

 同市では、コロナ感染急増が心配される中、清水市長は、福島市や郡山市から約100㌔離れている市医療センター(旧市立総合磐城共立病院)にコロナ感染者の受け入れを促進していた。清水市長は感染増大の予測すら考えていなかったようだ。今回の野球部遠征は、甘く見た緑川理事長や福迫野球部長ら関係者の責任であり、生徒の健康状態も把握できないことを露呈したといえる。昌平黌では、部員などのPCR検査を実施しているというが、同大の卒業式を実施したことから一般生徒に感染する心配がでてきている。

 同市では8日、新たに39人の感染者が判明、同大野球部員家族関係者などにも波及しているものと見られる。同市では、感染状況に大きな衝撃のほか危機感を抱いている。
 これまで福島県内では、3月中に郡山市や福島市などで感染者が多く発生していたが、いわき市では、感染者がそれほど発生していなかった。清水市長は、100㌔離れた郡山市などから市医療センターにコロナ感染患者を受け入れ、危機感がなかった。市民からは、新型肺炎・コロナ患者がクラスターとして発生するのではと不安の声があがっていただけに、清水市長の対応に疑問が残る。

 市医療センターは、コロナ患者用6床、結核など感染症15床、合計21床のほかICU重症者向け3床あるが、感染者拡大を防がないと一般病床を含め700床あるものの、すでに医療非常事態に近づいている。県内だけでも病床使用率は58・2%とひっ迫した状況で、同市では県から要請されれば受け入れざるを得ないとしているが、外向けのコロナ受け入れは、ほどほどの対応にと指摘されている。

 なお、同大学では、9日、45人のPCR検査を行っているが感染結果は「10日に判明する。コロナ感染防止はしっかりやっている」という。

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