福島労災病院循環器科の山内宏之医師が患者に頼まれ3級に

公共関連 25/08/2019

患者は身体障害者医療費控除につながる「医師のモラルと患者の資質」に疑問

 福島県いわき市にある労働者健康安全機構が運営する福島労災病院(渡辺毅院長)の循環器科に勤務する医師が、急性心筋梗塞などを発症した患者に頼まれ、身体障害者等級を一段階引き上げて3級としたことが関係者の証言で25日までに分かった。医師の倫理や患者の資質はどうなっているのか、疑問が浮上した。
 この医師は、2007年に岩手医科大学卒の山内宏之医師(40歳台)で、2016年から同病院循環器科に勤務している。山内医師は、武田綜合病院や済生会福島綜合病院などに勤務を経験する医師として主に心臓関係の循環器を担当している。

 身障者等級を引き上げてほしいと依頼した患者は、2017年2月に急性心筋梗塞を発症、同市医療センター(旧同市立総合磐城共立病院)で治療を受けた観光バス運転手を職業としていた藤田栄司さん(50歳台)となるが、その後心臓の機能が低下し、慢性心不全の状態が悪化、福島労災病院で治療を受けている。
2019年7月に山内医師から説明を受けた藤田さんは 心不全悪化を防ぐため、薬物治療やCPAPなどの治療を行っている。

 医師のモラルにかけているのは、患者に頼まれて2018年に当初4級で申請したが、その後に患者からの依頼で3級に変更し、患者が同市保健福祉部に申請したことである。同部所管の勿来・田人地区保険福祉センターが発行する身体障害者手帳は4級から3級になると医療費の控除も変わってくる。このほか旅客鉄道の運賃減額など特典が得られるという。

 同病院の渡辺院長や黒川和宏医事課長、小野山博文総務課長に本紙(いわき経済報)が取材を申し入れ「患者に頼まれ3級としたのは医師のモラルの問題だ」と指摘した。本紙は、渡辺院長に山内医師に対し、事実確認をしてほしいと依頼した。

 同病院の話だと、心臓機能障害(家庭内生活活動制限)患者を4級から3級にしたのは事実だと認めた。山内医師は「検査などを行い妥当なものだ。判断基準は患者が訴える自覚症状で体調がもっとも悪い時の判。自覚症状を裏付ける定量的な検査基準は特に記載なく患者の訴えしかない。それを裏付ける方法はない。心不全の状態は安定している」と述べている。
 藤田さんは「初めから3級だ。山内医師に頼んだことはない」と記者に語った。
今後の残された課題は法律的に問題がないか、行政機関の真摯な調査に期待したい。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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