150基の風力発電基地建設に市民が反対「低周波音問題なども影響」

公共関連 20/09/2019

阿武隈山系(いわき市)生態系崩し環境破壊か

福島県の阿武隈山系に風力発電施設を150基も建設する計画がある。福島県内を含めると、将来は約300基の風力発電基地が稼働する予定となっている。生態系を破壊する心配があるため、いわき市の市民団体などが反対運動を展開しようとしている。福島県は、原子力発電所に代わるエネルギー供給を図ろうとしているが、自然環境を妨げていることは事実であり、無造作に促進を進めるのは危険である。楢葉(福島県)沖約20キロ、浮体式洋上風力発電基地は、風車の直径167メートル1基(出力7000キロワット)当たり約152億円の撤退を決め、残り2基も採算が見込めないため、撤退を余儀なくされている。洋上風力は、波のうねりで基地が大揺れするため、発電が不可能となり、海風もまばらで採算が取れない。洋上風力は、沖合や湾内、港湾内など基礎固定式だと安定しており、陸上風力よりも発電も安定する。山間地域の風力発電施設も風はまばら状態が懸念され、フル稼働は期待されていない。風力設備や維持管理費に対し、高額な発電コストとなるため、風力は設備投資するほど金食い虫となるという。
同市のいわきを変えるゾ市民の会(佐藤雅子会長)は、25日に、同市内で「大規模風力発電を考える」住民交流会を開く。山間地の風力発電は環境破壊のほか、2キロ以上まで届く低周波音の被害者も続々出現か。

福島イノベーション構想のようだが、わが国には何のメリットもない。日立製作所は風力発電設備製造から撤退したため、日本からメカ製造会社はなくなった。
自然界の風を利用する風力発電は、再生可能エネルギーの促進派の主張となっているが、原子力発電所運転の反対者は脱原発のエネルギー源として賛成しているものの、全国的に環境破壊や騒音、低周波などによる健康被害が起きているということで、風力発電も基地設置場所によっては反対運動を展開している。
同市では、たびたび市議会で風力発電の問題点を指摘している。同市小川町地区や双葉郡広野町の阿武隈山系尾根に、エコ・パワー(東京都内にある風力発電事業者)が、3200キロワットから3400キロワットの発電機43基(当初計画)を設置するという。発電機の羽の直径は約103メートル、高さ約140メートルあるという。
エコ・パワーでは、28基の風力メカを設置すると住民に説明しているが、これを認めると、次ぎから次ぎへと風力メカを増設することになる。背景には東京電力や東北電力などが関係しているといわれ、地元のスーパーであるマルト(安島浩社長)などの地場産業を含めた風力メカ設備促進派が事業に参画する動きがあるという。地元企業を抱き込んで反対をなくそうとしているという。東京電力は、福島第一原発事故や第二原発廃止で、50万ボルト送電線を生かし、東京圏などに送電しようと計画しているという。

同市は福島国際研究産業都市、いわゆるイノベーション・コースト構想などを促進、関連の地域産業化を図ることを目指しているが、日立の風力メカ製造撤退で、わが国には総合的には製造メーカーはなくなった。世界でGE社など数社だけといわれ、中国製が日本に入ってきているという。一部特定の企業だけが儲かることになり、同市には会川鉄工(会川文雄社長)が、風力メカの一部分の鉄管(タワー)を製作している。北拓は、同市の四倉中核工業団地に風力メカのメンテナンス工場を建設することになっている。海外メーカーや丸紅などの大手商社が儲かるだけで、同市への経済効果は少ない。反対派は、この基地建設には工事用道路が必要となり、発電基地のスペースも必要となり大規模な森林伐採などによる生態系を崩し、環境破壊の恐れがあるという。

◆敬称略 (真島勝三主筆・元日本工業新聞社東北総局長・元産経新聞社記者)

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